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快進撃を続けるSEX MESSIAHの転換点は、私はやはり現ドラマー Abaddrums "SEXXX" Grinder氏加入に端を発した大胆なメンバーチェンジだったと思いますが、その快進撃のピークが何処なのか、まだ今も見えてこないところが、ちょっと普通のバンドのテンションとは違う点ではないかと感じています。今まで積み重ねてきた作品に限らず、2024年4月に大阪で開催されたNWN! / Hospital Festという歴史的なブラック・デス・メタル/エレクトロニクス・ビッグ・イベントですら、SEX MESSIAHの歩みの通過点の一つとして、極めてアンダーグラウンドなこのリリースを傍らで着々と準備していたのかと考えると、注目度の高さや、事の大小にとらわれない、Moenos氏のブラック・メタル理念が見えてくるのではないでしょうか。
2024年10月のサンパウロでの共演を記念して発売される、このSEX MESSIAHとTORMENTADORによるSplit 7"シングル。TORMENTADORはHOLOCAUSTO, SARCOFAGO, IMPURITY, etcといった伝説的なブラジリアン・ブラック・デス・メタルで活躍してきたミュージシャン結集という期待値の高さを上回る個性的なサウンドのデビュー作がマニアの間で高く評価されていて、このSplitリリースの話を聞いた時は大いに納得し期待してきましたが、現在のSEX MESSIAHの勢いを考えたら、さほどセンセーショナルなプレス・リリースとして飛び込んできたニュースと感じない人も、中にはいるかも知れません。しかし、近年のアンダーグラウンド・メタル・シーンでは実は徐々にマーケット・シェアが縮小しているという7"アナログ盤フォーマットの形態を選んでいる点には、決して打算など無く、リスクも伴うリリースと考えることもできますし、それでもSplit両者にとって(さらには1980年代からエクストリーム・ミュージックの伝説的なレコードをコレクションしてきたファンにとっても)、7"シングル盤は過去からこの先も永遠に魅力的なフォーマットの一つという、ピュア・マニアな姿勢の現れと察すれば、コスパだの合理性ばかりが優越の物差しとされる現代の価値観に対する挑発とも考えられます。
世界中のマニアが求めるブラジリアン・クラシックなスタイルから踏み外すことなく、しかし過去の栄光の焼き直しなどでは決してない、現代にアップデートされた粗野で原始的なブラック・メタルを表現できる数少ないグループのTORMENTADORの新曲は期待通りのテンションですし、SEX MESSIAHの"Priest in Suicide Forest"の再録音もまた、オリジナル本来のリチュアルなエピックと狂気のバランスがさらに研ぎ澄まされてバージョン・アップしています。スピーカーから飛び出すその両者のサウンドはもちろん、hellstorm & 072のIMMORTAL DEATHメンバー両氏によるアートワークを含めたジャケットの隅々にまで、現代と90年代の過激な地下音楽が交錯しているような危険性が充満した作品であり、実際に手にしている私は今も高揚が治まらずにいます。
(大倉了/Record BOY)
快進撃を続けるSEX MESSIAHの転換点は、私はやはり現ドラマー Abaddrums "SEXXX" Grinder氏加入に端を発した大胆なメンバーチェンジだったと思いますが、その快進撃のピークが何処なのか、まだ今も見えてこないところが、ちょっと普通のバンドのテンションとは違う点ではないかと感じています。今まで積み重ねてきた作品に限らず、2024年4月に大阪で開催されたNWN! / Hospital Festという歴史的なブラック・デス・メタル/エレクトロニクス・ビッグ・イベントですら、SEX MESSIAHの歩みの通過点の一つとして、極めてアンダーグラウンドなこのリリースを傍らで着々と準備していたのかと考えると、注目度の高さや、事の大小にとらわれない、Moenos氏のブラック・メタル理念が見えてくるのではないでしょうか。
2024年10月のサンパウロでの共演を記念して発売される、このSEX MESSIAHとTORMENTADORによるSplit 7"シングル。TORMENTADORはHOLOCAUSTO, SARCOFAGO, IMPURITY, etcといった伝説的なブラジリアン・ブラック・デス・メタルで活躍してきたミュージシャン結集という期待値の高さを上回る個性的なサウンドのデビュー作がマニアの間で高く評価されていて、このSplitリリースの話を聞いた時は大いに納得し期待してきましたが、現在のSEX MESSIAHの勢いを考えたら、さほどセンセーショナルなプレス・リリースとして飛び込んできたニュースと感じない人も、中にはいるかも知れません。しかし、近年のアンダーグラウンド・メタル・シーンでは実は徐々にマーケット・シェアが縮小しているという7"アナログ盤フォーマットの形態を選んでいる点には、決して打算など無く、リスクも伴うリリースと考えることもできますし、それでもSplit両者にとって(さらには1980年代からエクストリーム・ミュージックの伝説的なレコードをコレクションしてきたファンにとっても)、7"シングル盤は過去からこの先も永遠に魅力的なフォーマットの一つという、ピュア・マニアな姿勢の現れと察すれば、コスパだの合理性ばかりが優越の物差しとされる現代の価値観に対する挑発とも考えられます。
世界中のマニアが求めるブラジリアン・クラシックなスタイルから踏み外すことなく、しかし過去の栄光の焼き直しなどでは決してない、現代にアップデートされた粗野で原始的なブラック・メタルを表現できる数少ないグループのTORMENTADORの新曲は期待通りのテンションですし、SEX MESSIAHの"Priest in Suicide Forest"の再録音もまた、オリジナル本来のリチュアルなエピックと狂気のバランスがさらに研ぎ澄まされてバージョン・アップしています。スピーカーから飛び出すその両者のサウンドはもちろん、hellstorm & 072のIMMORTAL DEATHメンバー両氏によるアートワークを含めたジャケットの隅々にまで、現代と90年代の過激な地下音楽が交錯しているような危険性が充満した作品であり、実際に手にしている私は今も高揚が治まらずにいます。
(大倉了/Record BOY)










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